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【ネタバレ ボルト - BORUTO - 】4話 中忍試験 個人戦トーナメント開始!!【NARUTO - ナルト - 】

 

※この記事の画像は、すべて週刊少年ジャンプBORUTO』および、同誌『NARUTO』より引用したものです。

  

 コミカライズ版 BORUTO(ボルト)第4話の感想・考察です。 

 本ブログでは基本的に、映画版と違う箇所について重点的に触れています。ストーリーの流れなど映画版と大差ない部分については、あまり言及しません。

ボルトの映画は見て話は知ってるけどコミカライズがどうなってるのか気になる」
「ぶっちゃけ作画どんな感じなん??」

という方向けの内容となっております!

 詳しいあらすじや解説などは他のブロガーさん達がすでに書いてくれてますので、そちらを参考になさってくださいね~

 

 今回の扉絵はこちら!

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冒頭のオリジナル展開

 

 ここで早くも、オリジナルストーリーへの布石が出てまいりました!!

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↑ 謎の「巻物」と対峙するナルトとサスケ。この幾何学模様みたいのは解読装置の一部なのか、巻物そのものなのか…?

 まだ何のこっちゃ分かりませんが、この先に映画とは違うストーリーが待ってると思うと期待感がハンパないです!

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 どうやらこのマンガ版、「時代が変わって人が変わっても "忍" の本質は変わらない」ということをメインテーマにしようとしてるっぽい…??第1話でのボルトとカワキのやり取りといい、どうもそんな印象を受けました。

 映画は「親子劇」メインにまとまった王道路線でしたが、それだと話がナルトとボルトとの間だけで完結してしまって広がらないし他のキャラが絡みにくくて仕方ない。親子劇はテーマの一つくらいに押さえて、次世代の新キャラたちがもっと活躍できるような新しいストーリーに作り変えてかないと厳しそうです。

 池本先生の個性的で尖った作風だってまだ1%も発揮されてませんからね!ぜひ脚本家さんと好きなようにいじり倒して、新しい解釈によるNARUTOの世界を見せてほしいです!個人的には、映画シン・ゴジラくらいぶっちぎっちゃっても全然アリだと思います。(あれは画作りも話も秀逸だったなあ。。)

 

 

ナルトとボルト、親子のふれあい

 

 さて、ストーリーの方は中忍選抜の三次試験が始まろうとしています。

 息子の二次試験がどうなったのか気になってソワソワしてるけど、悟られまいと平静を装おうとするナルト。あまりにも分かりやすい行動にほっこりします。笑

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 息子の受験状況が気になって仕方ないナルトのもとへ、シカマル登場。ボルトたちの無事な通過を知らせてくれます。

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 シカマルが部屋から出てってから「いよっし!!!」とやる辺り、やっぱり親子で似てる感ありますね!

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 今回は親子の絡み多めです。
 はいっ待ってましたのこのシーン!!

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 「男親と息子」って感じの、サバサバした爽やかなやり取りが良いです。この辺だけでお腹いっぱいになりました。

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 満開の笑顔をあえて抑えているようなボルトの表情がいいですね!

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 父親が部屋から出て行った瞬間、この笑顔。アマノジャクなお年頃です。

 

 

 いよいよ三次試験開始!!

 

 そして、待ちに待った三次試験、個人戦!!そのトーナメント表がこちら!

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 絶妙な采配です。映画では決勝戦(あれ、もしかして違ったかな…)でボルトとシカダイが戦ってて、砂の3人とか明らかに強そうなのに誰に負けて落ちたんだよみたいな感じでしたが、マンガ版ではサラダやミツキの位置も含めてかなり配慮されてます

 第一試合の勝者は「甲組」がボルト、シカダイ、「乙組」がサラダ、ミツキ、「丙組」がアラヤ、シンキなので、なんと第二試合がぜんぶ同じ里同士の戦いになっちゃってます。しかも、そのうち2か所は同じ班のメンバー同士。サラダVSミツキ、シンキVSアラヤです。

 まあ、その前に試験中止されるんだろうけど、、、。

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↑ 謎の「巻物」の解読が終わるなり、難しい顔で立ち去るサスケ。ただ事じゃない予感しかしません。

 

 個人戦のバトルシーンはボルトのオンステージですが、むしろ相手役のユルイやシカダイの方が絵に気合いが入って見えるくらい、表情も構図もキマってました。池本先生のキャラは表情がリアルで『AKIRA』や『スチームボーイ』の大友克洋先生を彷彿とさせます。

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 原作者の岸本斉史先生のような、どうやってそんなアングルからの構図を描いてるんだ??みたいな圧倒的多彩さはないものの、どういう立ち回りが展開されてるのか分かりやすいし、迫力も十分です!

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ボルトの不正が発覚…!

 

 ストーリー自体は映画での流れ通り。ボルトのズルが発覚してしまい、バツの悪い状況に…。

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↑ ナルトの表情が怒ってるというよりは若干悲しそうなのがこたえます。

ボルトの心境としては、お父さんに認めてもらいたい・自分を見てほしいがための行動だったのですが、完全に裏目となってしまいました、、、。

 ズルはダメだろ!という正論が頭の片隅にあったとしても、ボルトの場合は心の成長が追い付いていない感じでしょうか。逆に、前回登場してきたメタル・リーあたりはプレッシャーに弱そうな半面、そういった倫理観は発達していそうな気がします。

これは私見ですが、「 科学=悪、自力で身に付けた力=正しい 」みたいな感覚は良くも悪くも前時代的で、はっきり言えば古臭いです。ボルトたち "新世代" の忍は、道具を使うということに関して親世代とは全く異なった感覚を持っているとしても、べつにアリなんじゃないか?とも思います。(昔の営業さんは得意先の電話番号を一生懸命暗記したそうですが、今はスマホに登録しておけば一発です。無駄なことに記憶や労力を使う必要はないわけです。こういう感覚に近いんじゃないかな…?)

 逆にメタル・リーみたいなキャラが、敵との実戦ではなりふり構わず科学忍具で短所を補い巧みに戦っていたら、それはそれでカッコイイと私は思います(幻術返しとか)。お前にプライドはないのかって話になると思いますが、そこの所との葛藤という新たなテーマも生まれるし。ただの "怠け" で使うのは別としても、科学忍具そのものを悪者にしなくてもいいのでは??

 岸本斉史先生が長年温めていたせっかくのアイディアなんだし、マンガ版ではもう少しポジティブに科学忍具を扱ってもいいんじゃないかな??と、ちょっとだけ思いました。

 

 

 ラスボス登場?! 

 

 最後に、映画でのボスキャラがチラっと登場!!能力はやはり『倍返し』なのか??

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↑ 狙いは尾獣の力か…?いきなりロックオンされたナルト。この流れで試験中止になりそう。

 

 映画版では「忍術が通じない!」となってからの流れが少しだけ強引だったこともあるので、マンガ版でどうなるのか楽しみです。

 

 一ヶ月後が待ち遠しい…!!

  

 

個人的にツボった作画まとめ 

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 作画は相変わらず良いです!!サスケとか明らかにマンガ版の方がイケメンだし、雰囲気もどこかニヒルな感じで痺れます。(一部では不評って聞くけどなんでだ?!!)

 いや…やっぱり本家は岸本先生だなあと思う時も正直あるんですが、やっぱり違う人の作画は新鮮です。

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 個人的に、このマンガ版のヒマワリちゃんどストライク。全体的に優等生っぽくて誰にも好感を持たれそうな映画版のキャラ付けより、池本先生が焼き直したキャラの方が生き生きして見えて私個人としてはかなり好みです!いや…だって岸本先生の読み切りではお転婆そうな印象だったのに、映画で急におっとり系にシフトしてくるから…。
 いやいやあくまで好みですからね!映画版のキャラだって魅力的です。

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 渋すぎるシカマル。ふつう、キャラが歳くった姿なんてもうそれだけで劣化フィルター通して見てるようなもんなのがファン心ってやつですが、どう考えてもカッコイイ。モテてそう。

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あざとすぎず、控えめすぎず、ちょうど良いサバサバ感のサラダ。モロタイプです。

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 ママ友3人組。華やかですね〜!!テマリの豪快な笑い方が意外ですが、ふしぎと違和感なし。まったく嫌味がありません。私はむしろこのマンガでテマリ好きになりました。しっかし髪の分け目一つとってもなんかオシャレなんだよなこの人の絵って…。

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  ボルトと激突したユルイ。戦闘はぜんぜんユルくないです。映画では正直まったく注目してなかったキャラですが、このマンガはキャラの表情に "記号っぽさ" がなく生き生きしてて、どのキャラも魅力的です。

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 今回一番の大どツボ池本幹雄が描くとお世辞でもノリでもなんでもなくロック・リーもイケメンに見えます。生え際をしっかり見せてくるあたり…分かってますね〜!!やっぱりロック・リーはカッコいいなあ…。原作初期~中期の彼が帰ってきたような錯覚を覚えました。

 実際この造形をバランス良く描くのはかなり難しいです。ロック・リーは、原作は後半になると丸描いてちょんみたいな目になって表情が常に一定だったし、アニメは黒目がぐりぐりすぎてたまに魚かカエルみたいな顔になっていた。

 

 池本先生の絵のセンスはズバ抜けてて、しかもただイケメンとか可愛く描けばいいみたいに闇雲に美化してるわけでもなく、本当にナチュラルに底上げされてて違和感が無いです。出てくる全てのキャラがカッコイイ!!

 池本先生には、その作画やデザインへのこだわりを貫き通してほしいです!

  

 そしてNARUTOというビッグタイトルのコミカライズで名前を売ったあかつきには、ぜひオリジナルの次回作を!!


余談みたいな

  映画を見てて気になったのが、審判が全く気付かなかったボルトの不正を、横から割り込んできたナルトがあっさり指摘して、ボルトの失格を審判に指示してしまうこと。これはちょっと…「審判仕事しろ」な流れですよね。だってこれ、サッカーの試合でいったら主審がファウルを見逃して「今のレッドカードだろ!」って外野から指摘されちゃってるのと同じ状況ですよ…。(その前に、運営側としてモニターを監視してたテンテンやシノも全然気付かなかったし)

 でもマンガ版ではその辺りの描写が少し足されてて、観客のサクラ、いの、テマリも、各里の影たちですら、全く気付いてないことがハッキリ描写されます。

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 これのおかげで、「運営側や審判が気付かなくても仕方ないか」「そもそも『科学忍具』の存在を知ってるナルトだから気付いたのかな?」くらいに印象がやわらいでます。

 これ…本当に良い仕事だと思いました。

 もともと、原作者の岸本斉史先生はこういう細かいことへの気配りに熱心でした。例えば、中忍試験編の我愛羅 VS ロック・リー戦で、我愛羅が変わり身と入れ替わったことに気付かず表蓮華をぶちかましてしまうシーン。カカシ先生だけは変わり身に気付いてました。しかし、当事者のリーは体の痛みで怯んだ一瞬の隙を突かれ、カカシ先生の横で一緒に見てたガイ先生はリーの捨て身技が成功するよう目をつぶって祈ってたせいで、気付かなかった。こういうフォローをきちんと入れてくるんです。

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 ストーリー的にはどうでもいいことかもしれませんが、そうした些細な言動からキャラ達の実力や頭の良さが読者に推し量られるのだ…ということをしっかり考慮に入れた上で、どのキャラもテキトーに扱わない。無頓着に一部のキャラだけに泥をかぶせるような演出はしない。そういう熱意が、岸本先生には有ったんです。

 でも映画には、そういった丁寧さはほぼ感じられませんでした。尺の関係上やむをえずそうなってしまった部分はあるにせよ、少しもったいなかったです。

 

 また、シカダイの能力についてもマンガ版では描写が考えられていて、凄く良かったと思います!

 そもそも、まだ戦意も戦闘力もある相手をただ一時的な術で動けないようにしただけでは、勝ったことにはならないはずです。勝利条件は相手を戦闘不能にするか「参った」を言わせるか。

 シカマルの使っていた『影真似の術』は相手に自分と同じ動きをさせる術で殺傷力はないし、持続時間は5分程度と短く、相手が動けないうちにと好き放題攻撃しようものなら相手も同じ動きをしてきて自分も傷を負ってしまいます。

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 だからこそ原作でのシカマルは、影真似の術で相手を捕捉してそこから先どう詰めるかの部分で頭脳が光っていました。

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↑ 見事な策略で対戦相手の音忍を撃破

 また、本戦でテマリと当たった時も、シカマルは『影真似の術』でテマリを完全に捕捉しました。それでも、そこから先の作戦が思い浮かばないという理由で棄権したんです。はたから見ればシカマルが押してるように見えたしテマリは敗北感を覚えたようですが、シカマルとしては手詰まりだった。

 こういったことを踏まえると、映画版でのシカダイが似たような影の術を使ってボルトを拘束し、その時点でほとんど勝敗が決まったかのような流れにはかなり違和感がありました。(ボルトが焦って科学忍具を使ってしまっただけ…とも取れるんですが…)

 一方、マンガ版でのシカダイは、どうも『影真似』ではなく『影首縛り』に近い術を使っていることが、なにげに描写されています。

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↑ クナイを取り出すシカダイ。ボルトは動かないまま。これが影真似の術であれば、ボルトも同じ動きをして武器を取り出すはず…。

 つまり、シカダイの術は相手を金縛りのようにした上で自分だけがある程度自由に動ける性質のもので、動けない対戦相手をゆっくり料理できる → この勝負もらった! 、、、という状況だったことが、この一コマだけでなんとなく分かるんです。

 たった一コマの描写だけど、これはデカイ。

 

 こういった細かい部分で、映画のストーリー展開の雑さは少し残念でもありました。尺が足りない関係でそうなってしまった部分もあると思うので、マンガ版で補えるところはどんどん改善していってほしいです!

  これからも、マンガ版 BORUTO の連載を追っていきたいと思います!

 

☆☆ ↓ 次回、第5話はこちらから ↓ ☆☆

rootm.hatenablog.com

 

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